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ひとりひとりの守り神、トゥレンカムイ

人々を見守り続けるトゥレンカムイ

アイヌの信仰するカムイは、身の周りだけでなく、ひとりひとりの人間にも宿っていると考えられています。こういったカムイを特にトゥレンカムイと呼びます。
トゥレンカムイは憑神と表現されることが多いのですが、比較的馴染みの深いものとしては、守護霊のような感覚に近いでしょう。アイヌの信仰では、人間が生まれる前の霊魂は天界を司るラマッカラカムイのところにあり、誕生の際に下界へと降りてくるとされています。このときに、それぞれの霊魂にはひとつのカムイが付き添って下りてきて、そのカムイは付き添った先の人間が死ぬまで見守り続けます。これが、トゥレンカムイなのです。
トゥレンカムイとして宿るカムイがもつ能力や特性も、人それぞれ異なります。どんなカムイが憑くかは縁次第で、カムイの性質や嗜好が共に生きる人間に影響を与えることもあります。

特別なトゥレンカムイとトゥスクル

トゥレンカムイの性質は人によって違いますが、トゥレンカムイのもつ力の強さもまた、個人差があります。
ほかのトゥレンカムイよりも強い力をもつものに守られている人には、シックスセンス的な能力が備わっていることがあり、一般的には感じ取れないような予兆や危機などを察知できることがあります。
その中でも特別な力をもつトゥレンカムイに守られている人間が一定数存在します。彼ら、あるいは彼女らは、カムイと交信し、自らの身体を貸して神託をもたらす、いわばシャーマンとして人々に崇められてきました。そのような人々をトゥスクルと呼びます。
なお、トゥスクルはあくまで特別なトゥレンカムイに選ばれた人間がなれるもので、世界の他地域におけるシャーマニズムなどとは違い、修行を積むことでなれるものではないとされています。


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