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神秘と謎に包まれたアイヌ文化

アイヌの人々とカムイの関係

アイヌの人々は、身の周りの万物に魂が宿っているという考えのもと、独自の信仰を築いてきました。この魂はカムイと呼ばれ、人々はときに感謝し、ときに崇め、ときに祈りを通して抗議をしながら、常にその存在と寄り添って生活を送りました。
カムイは日本語で表現すると神と表現されることもあり、自然崇拝的な考え方と捉えられることもありますが、自然崇拝とは似て非なる存在と考えて良いでしょう。
なぜならば、カムイは超常的な力をもっているとはいえ、アイヌの人々にとってあくまで対等の存在であり、互いに干渉し、支え合うことで世界が成り立っているという前提があるためです。
こうした観点から、アイヌによるカムイと世界の考え方には、自然崇拝よりもアニミズム的な要素が強く残っていると考えられています。

日常的に行われるカムイノミ

カムイに祈りを捧げる行為をカムイノミと呼びます。この行為は必ずしも多くの人々が関わる大掛かりな儀式である必要はなく、個人的にカムイに語りかけ、物事の成功や安寧などを願うこともカムイノミとして扱われます。
カムイノミは日常の様々なタイミングで行われます。狩りの成功や食料への感謝、現在でも車や住宅など、生活に関わる大きな買い物をしたときにカムイノミを行っている人もいます。
なお、大掛かりな儀式を行う場合は、エカシと呼ばれる集落の長老のような立場の人が中心となって執り行われます。こうした儀式によって、人々は生活に害のあるカムイ(災害、感染症など)に対する抗議として祈りを捧げ、集落を守ろうとすることもありました。


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